COLUMN

ウェディングスタッフが見た心が震えたエピソード10『想いをツナグ中座』

ご家族のことが大好きで
とても大切に想っていらっしゃるおふたり。
そんなおふたりのご披露宴の中で、
温かな感動に包まれた瞬間がありました。

 

そのシーンが生まれたのは、
それぞれのご中座でのことでした。

 

『 Wedding Episode 10 ~想いをツナグ中座~ 』

 

「実は、妹とは小さい頃からあまり仲が良くなかったんです。」ご新婦がお打合せでポツリと教えてくださいました。

「でも、結婚式の準備を妹が手伝ってくれて…。それがきっかけで昔より少し仲良くなれた気がします。」

そうおっしゃるご新婦はとても嬉しそうでした。

長い間止まっていた時間が動き出し、
少しずつ距離を縮められたご姉妹。

ご新婦は中座相手に妹様を選ばれました。

結婚式当日、私は中座のタイミングでご新婦のお席へ伺い
「ぜひ、妹様にしっかりお気持ちを伝えてあげてくださいね」と、こっそりお伝えしました。
少しだけ驚いたお顔をされたご新婦でしたが、答えは決まっていたようで、
小さく笑顔で頷いてくださいました。

そして、妹様が前に来ると、そっと肩に触れ、笑顔で言葉をかけられたのです。

 

「 … 。」

 

映画を見ても泣かないと伺っていた妹様、
でもその瞬間大粒の涙を流し、
言葉を返します。

ご姉妹の間に残っていた小さなわだかまりが、溶けてなくなっていく瞬間でした。

そんなご姉妹の様子を、
遠くから見守るお父様とお母様。

スタッフはお父様とお母様に、笑顔でお迎えしていただくようお声掛けすると、

両手を広げて、とびっきりの笑顔で待つ姿がそこにはありました。

照れながらも嬉しそうなご姉妹。

 

お父様とお母様はずっと、ご姉妹の距離を気にかけていらっしゃったはずです。

そんなご家族の姿を、全てのゲストが優しい面持ちで見守る。温かい時間が流れました。

 

ご新郎の中座のお相手は、
可愛がっている妹様の予定です。

そのことを事前に聞いていたお母様は
「叔母と歩いてあげたらきっと喜ぶのに…。」
とポツリとおっしゃったそう。

叔母様とおっしゃっているけれど、もしかしたらお母様ご自身が一緒に歩きたいのかもしれません。
と、感じました。

終始ご新郎を愛情深い眼差しで見守るお母様。
そこには喜びと共に、寂しさも垣間見えています。そこでお母様の表情をご新郎にお伝えし、こうご提案しました。

「ご中座の際、妹様と一緒にサプライズでお母様をお迎えに行かれてはいかがですか?」

「母さん、喜びますかね…。」と、最初は半信半疑ながらも、遠くで楽しそうに話しているお母様の表情を見たご新郎は「わかりました。」と強く頷かれました。

中座が始まると、名前を呼ばれた妹様は嬉しそうにご新郎のもとへ。

妹様と腕組みをして歩き出すご新郎。その足取り真っすぐに、お母様のお席に向かわれます。そして後ろに到着したとき、背中を優しくたたいてこう伝えました。

 

「母さん。一緒に歩こう。」

 

 

お母様は驚きながらも、
嬉しそうにお顔を覆われました。

ご新郎はあらためてお母様のほうへまっすぐ向き直ると、マイクを通してこう伝えました。

「今日までたくさんの愛情を、ありがとう。」

お母様は何度も頷きながら、溢れる涙を拭いていらっしゃいました。

そして、『あまり感情を表に出さない』と伺っていたお父様に目を向けると、優しく見守る姿がそこにはありました。

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中座では、大切な人との想いが交わされ、
絆がぐっと深くなります。

そのタイミングは、
たった一言のお声掛けで大きく変わります。

失敗のできない、
一生に一度の大切な瞬間だからこそ、
『今この瞬間を、もっといいものにしたい。』
『心に輝き続ける瞬間にしよう。』

そんな想いで、今日も私たちは向き合っています。

 

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